緑内障とは?(10)
前の記事「緑内障とは?(9)」では、
日本人は眼圧が正常なのに緑内障であるケース(正常眼圧緑内障)が多いので、
眼圧検査だけでは、全ての緑内障を発見することは難しく、
緑内障の診断の際には、眼圧検査に加えて
・隅角検査
・眼底検査
・視野検査
などの検査も合わせて行われることが多いことと、
緑内障の薬物治療について説明しました。
続いてレーザー治療について解説します。
■緑内障のレーザー治療:
緑内障の治療では、点眼薬を中心とする薬物治療が中心に行われますが、
点眼で十分な効果が上がらない時(眼圧が十分に下がらない場合)には、
レーザー治療や手術が検討されることになります。
緑内障のレーザー治療には2種類あります。
・レーザー虹彩切開術(LI):
レーザー虹彩切開術は、虹彩にレーザーで穴を開け、
新たな房水の通り道を作ることで眼圧を下げる治療方法です。
時間にして2~3分で終了し、痛みもありません。
・選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT):
選択的レーザー線維柱帯形成術は、最近開発された新しいレーザー治療方法で、
房水の排水溝の役目をしている"線維柱帯"という部分にレーザーを照射することで、
この部分の細胞を活性化して、房水の流れをスムーズにして排水を促進することで眼圧を下げる治療方法です。
この選択的レーザー線維柱帯形成術は、周辺の細胞にダメージをほとんど与えないので、繰り返し治療することも可能です。
ちなみに、この治療方法でも3割の方には効果があらわれず、眼圧が下がらないことがあるとされています。
いづれのレーザー治療でも、痛みはほとんど感じないか、感じてもごく軽度で、
入院の必要はなく外来で治療を行うことができます。