緑内障とは?(11)
前の記事「緑内障とは?(10)」では、
緑内障のレーザー治療について、
・レーザー虹彩切開術(LI):
・選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT):
の2種類に分けて説明しました。
レーザー治療の場合は、いづれの方法でも痛みはほとんど感じないか、感じてもごく軽度で、
入院の必要はなく、外来で治療を行うことができるのがメリットと言えます。
続いて手術による治療について解説します。
■緑内障の手術:
緑内障の手術は、前の記事で説明した
・薬物治療
・レーザー治療
でも効果が不十分で、眼圧が低下しなかった場合に行われる治療方法です。
緑内障の手術方法は、以前に比べると技術が進歩して治療効果も改善されてきていますが、
症状を改善することが目的ではなく、あくまでも眼圧を下げて症状が進行することを抑え、
悪化を食い止めることが目的なのは、薬物治療やレーザー治療の場合と同様です。
手術の方法には何種類かありますが、
・房水の流出路の流れを良くする線維柱帯切開術(トラベクロトミー)と、
・眼外に房水の流出路を作成する線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)
が主に行われています。
■線維柱帯切開術(トラベクロトミー):
目詰まりを起こした線維柱帯を切り開いて、本来の房水の流出路であるシュレム管に房水が流れるようにする手術です。
手術の後は出血が原因で見えにくくなりますが、しばらくすると回復します。
出血が吸収されて見えるようになるまで2~7日かかります。
■線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)
線維柱帯の一部分を切除して、房水の出口を別に作り排出を促進する手術です。
房水は線維柱帯の切除された出口を通って、
強膜の切開創の隙間を通り、結膜の下に流れた後に結膜の血管から吸収されます。