緑内障とは?(5)
前の記事「緑内障とは?(4)」の中で、
「緑内障の症状は一方通行のみで、治療を受けることで視野や視力を元の状態に戻すことはできない。」
と書きました。
つまり、眼科の専門病院で行われる治療も、緑内障の進行スピードを抑えるのが目的で、
視野や視力を元の状態に戻すためのものではなく、緑内障の治療で視野や視力を改善することはできない、
ということをしっかり理解しておくことが個人的にには大切だと感じてます。
しかし、緑内障の症状の進行スピードは大変緩やかであり、
通常は両方の目で見ているので、片方の視野(見え方)に異常があってももう一方の目がカバーしてしまって
なかなか気づきにくいという問題があります。
自分が緑内障であることに気づきにくいというのは大きな問題ですが、
解決策の1つとして、自分の『眼圧』を知っておくという方法があります。
■眼圧とは
眼圧(がんあつ)とは、眼球内を満たしている眼内液の圧力のことです。
通常は、大気圧よりも少し高く大気圧との差を眼圧の値として表します。
そして、眼圧異常が原因の疾患として『緑内障』が知られています。
ちなみに緑内障は、日本緑内障学会のガイドライン(第三版)では、
「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」
と説明されています。
人間の眼圧は、年齢や性別、近視の有無、乱視の程度、また季節や時間帯、などによって変動しますが、ある程度の値を維持していることが知られています。
(※眼圧は冬に高く、夏に低くなりやすいことも知られています。)
しかし、緑内障の患者さんの場合は、何らかの原因で眼圧が高くなり視神経を圧迫して、この圧力で視神経が潰された状態になっています。
私たち日本人の場合は、7~21mmHgの間であれば正常とされますが、
眼圧がこの正常値の範囲を超えている場合には、緑内障のリスクを考える1つの指標になり得ます。