後部硝子体剥離とは?
中年以降、とくに40歳以降の方の飛蚊症に限っていえば、
最も多い原因となっているのが、この「後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)」です。
(後部硝子体剥離は老化現象のひとつなので心配はいりません。 )
本来、目の硝子体(眼球の内部のゼリー状のもの)は、網膜の表面と隙間なく接しています。
しかし、加齢とともにゼリー状の硝子体がサラっとした液体状に変化していきます。そして、
次第にゼリー状の液体の中に空洞ができ、硝子体全体の容積も小さくなっていきます。
そうすると、今まで隙間なくピタっと接していた硝子体と網膜の間にすき間ができてしまいます。
このことを、後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)といっています。
これは、老化現象のひとつで病気ではありませんので安心して下さい。
後部硝子体剥離は、60歳代の人に多く見られ、
60歳代で43%、70歳代でじつに71%の人に起こる現象とされています。
また、近視の人に発生しやすいともいわれています。
ところが、最近はスマホの多用化など、生活習慣の変化が影響して
20代の方でも、この症状を自覚することがあります。
後部硝子体剥離の自覚症状としては、
・飛蚊症
・眼のかすみ
・光視症
などを発症することが多いです。
※光視症とは、光源もないのに暗闇でピカッと光を感じる症状のことです。
後部硝子体剥離は老化現象のひとつなので心配はいりません。と書きましたが、
じつは、ごく一部の後部硝子体剥離で、注意が必要なケースがあります。
それが、網膜裂孔で、後部硝子体剥離のうち、
6~19%の確率で起こるとされています。