網膜剥離とは?(1)
網膜剥離は、放置すると最悪で失明の危険もある怖ろしい目の病気です。
そして、飛蚊症がその初期症状の兆候(サイン)として発症している場合があります。
飛蚊症を自覚している場合は、念のため、網膜剥離についての基本的知識を得ていたほうが安心できると思います。
■網膜剥離とは
「網膜」は
・神経網膜と
・網膜色素上皮
の2つの部分からできています。
光を感じるのが神経網膜で、網膜色素上皮はその土台といったイメージです。
そして、神経網膜が土台の色素上皮から剥がれるのが網膜剥離です。
細胞が生きるのに必要な栄養は、網膜色素上皮から神経網膜に運ばれていますので、
神経網膜が土台の色素上皮から剥がれると、栄養の供給がストップしてしまい光を感じる神経網膜の機能が衰えて
結果として、剥がれた部分の視野が見えにくくなってしまいます。
■網膜剥離にかかるのはどんな人?
網膜剥離が多いのは、年代でいえば20代の若者と50代以降の年配の方です。
また、強度の近視の人や家族の中に網膜剥離にかかった人がいる場合は、年齢に関係なく発病しやすいと言えます。
その他にも、目を強く打ったり、アトピー性皮膚炎で目の周囲がとくに重症な人にも、網膜剥離が起こることがあります。
■飛蚊症
人間の眼球の内部は硝子体というゼリー状の物質で満たされていますが、
老化とともに変質してサラサラした液体とベトベトとしたゲル成分に分かれていきます。
そしてゲルの成分であるコラーゲンが次第に凝集して網膜に影を落とすようになります。
この影が見えてしまうのが飛蚊症です。
また、加齢とともに変質した硝子体の容積は、だんだん小さくなっていきます。
そうすると、今まで隙間なく接していた硝子体と網膜の間にすき間ができてしまいます。
このことを、(後部)硝子体剥離といます。
後部硝子体には、コラーゲンの密度が高い部分があるので、
飛蚊症の見え方がさらに進行して、影の数が増えたり、ハッキリ見えるようになります。
飛蚊症は、このように老化や後部硝子体剥離が原因で起こることが多く、
網膜裂孔を併発することがあります。
その他にも、ぶどう膜炎等による出血や炎症などで硝子体が混濁して発症するケースもあります。